摂津市トイレ修理

しかしまた時によると、あの最後の摂津市トイレ修理の時のように、何をやっても利目がなく、吐剤を次第に量を増しながら服用を重ねて、やっと収まるようなこともあった。その時の医者はあとになってから、てっきり毒を嚥んだに違いないと睨んだと白状した。今はまだ夜の明けるまでには時があるし、よる夜中に医者を迎えにやるのはいやだった。それに彼はもともと医者というものが嫌いでもあった。とうとう彼は我慢がし切れなくなって、大きな声で唸りはじめた。その呻き声に中村は夢を破られた。彼は安楽椅子のうえに起き直って、しばらくのあいだそうして座ったまま、怯えたように聴耳を立て、ほとんど駈け出さんばかりの勢いで二つの台所を往復している斉藤の姿を、きょとんとした眼で怪訝そうに追っていた。明らかに平生の酒量を越していると見えるまる一本の酒が、ひどくその身に作用していたので、彼は長いこと正気に返れずにいた。が、とうとう合点が行ったと見え、斉藤のそばへ駈け寄った。彼の叫びに、お客は何やらわけのわからぬことを口のなかで答えた。「そりゃ肝臓からくるんですよ、私は知ってますぜ!」と中村はやにわに物凄いほど活気づいた、「あのぴょーとるくーじみちも、あのぽろすーひんもやっぱりこれとおなじでしたよ、肝臓からきたんです。罨法がいいんですがね。ぴょーとるくーじみちはいつも罨法で治してましたっけ。……死なんとも限らないんですぜ!一走り工事のところへ行って来ましょうか——ええ?」「いいです、いいです」と斉藤は苛だたしげに手を振った、「なんにも要らないんです。」